吹き抜けがある家は「おしゃれになる」「部屋が明るくなり、開放的な空間に仕上がる」などメリットがたくさんあります。「注文住宅を建てるなら、吹き抜けのある家にしたい!」と思っている人も多いでしょう。
しかし吹き抜けを取り入れるなら、デメリットもしっかり押さえておくことが大切といえます。なぜなら、デメリットは設計時点で対処すれば解消できるケースも多いためです。この記事では、吹き抜けのある家が欲しい人に向けて、メリットとデメリットをまとめて解説します。
そもそも「吹き抜け」ってどんな構造のこと?
そもそも「吹き抜け」とは、遮るものがなく風が自由に吹き通ることを指す言葉です。そのことから、建物内部の天井を取り外し、上下階を一続きにした構造を「吹き抜け」と呼んでいます。
ちなみに吹き抜けは「アトリウム」と呼ばれることもあります。アトリウムとは、天窓から自然の光を取り入れた広々とした吹き抜け空間のことで、吹き抜けと同じ意味合いで使われることが多い単語です。
ホテルのエントランスや大規模商業施設など、入り口付近に大規模な吹き抜け空間を用いる建築物で主に採用されています。ただしアトリウムは、屋根がガラスやアクリル板などの光を通す素材で覆われている空間を指すことが一般的です。
吹き抜けのメリットとは?
住まいに吹き抜けがあることで、どのようなメリットを得られるのでしょうか。吹き抜けの主なメリットを4つ解説します。
風の通り道になる
吹き抜けがある住宅は、1階と2階を遮るものがないため風が自由に吹き通るのが大きなメリットです。1階のリビングの窓を開放して吹き抜けの天窓を開ければ、風の通り道ができます。風通しのいい家になると、カビやシロアリなどの繁殖を防げるのはもちろん、定期的な換気ができることでハウスダストの排除などにも効果を発揮します。住宅内の湿気を適度に保てるため、家が長持ちするといったメリットも見逃せません。
光が天井部分から降り注ぎ、部屋全体が明るくなる
北側にある部屋は、どうしても暗くなりがちです。そのような間取りでも、吹き抜けの天井部分に天窓を作れば1階まで光が降り注ぎ、暗くなりやすい場所でも明るさを確保できるメリットがあります。
部屋全体が明るくなると、日中は照明をつけなくても生活ができるので光熱費の削減が可能です。さらにリビング階段にしてスケルトンにすると、階段の蹴込部分から柔らかい光が漏れ、より明るい空間を実現できます。蹴込部分から漏れる光の筋は美しい陰影となるので、部屋をグッとおしゃれな雰囲気に仕上げてくれます。
開放的な空間になり部屋が広く感じる
天井が低いと、人によっては圧迫感や窮屈さを感じやすくなり、快適な生活を送れません。その点、吹き抜けにすると天井がないため、空間に広がりが生まれて広く感じやすくなります。特に狭小住宅で吹き抜けを作る場合、圧迫感が出にくくなり、開放的な空間に感じるでしょう。吹き抜けを作ると床面積が少なくなるものの、上下の広がりを感じられるので狭小住宅におすすめの間取りといえます。
家族の気配が感じやすくなる
吹き抜けのない家の場合、子どもが2階の居室にこもってしまうと、家にいるかどうか判別しにくいでしょう。その点、吹き抜けがあると1階と2階がつながっているため、気配を感じやすくなります。遮る天井がないため、階段を上らなくても1階から声をかけられるのも大きなメリットです。
吹き抜けのデメリットとは?
吹き抜けには魅力的なメリットが多い一方で、見逃せないデメリットもあります。そこで、吹き抜けのデメリットとその対策を解説します。
1階が寒く、2階が暑い
吹き抜けは空間が縦につながっているため、冬は1階部分で寒さを感じやすくなります。これは暖められた空気は上昇する性質があるためです。1階部分で暖房をつけると暖められた空気は2階へと上がってしまうので、1階はなかなか暖まりません。
逆に夏は、2階部分で暑さを感じやすくなります。屋根に降り注いだ直射日光によって熱が天井裏にこもり、天井裏の直下である2階部分は暑くなりやすいのです。そのため2階で冷房をつけても涼しくなりにくいうえ、冷たい空気は1階に下がります。空間がつながっている分、冷暖房効率が悪くなるので光熱費が高くなるのは避けられません。
吹き抜けのある家を建てる場合、高気密・高断熱の家にすることで快適な室温を維持できます。また空気を攪拌すると、上下階の温度差を少なくできるため、吹き抜けの天井部分にシーリングファンを取り付けるのも有効な対策です。
2階に音が響きやすい
吹き抜けは天井がないため、1階リビングのテレビ音や話し声など、思っている以上に音が2階に響きやすいつくりです。たとえば、1階でテレビをつけていても吹き抜けがあることで音が広がりやすく、聞こえにくいと感じてボリュームを上げてしまいがちです。2階で子どもが勉強していても、1階の音が気になって勉強に集中できないケースもあるでしょう。テレビのボリュームを上げた結果、2階にいるとよりうるさく感じるという負のループが生まれやすいため注意が必要です。
音の問題は、テレビの配置によって解消されるケースもあるので、家具・家電の配置計画は時間をかけてしっかりと行いましょう。特にお子さんがいる場合、間取り決めをする際に音の伝わり方も考慮することが大切です。家族みんなが快適な生活をするには、ハウスメーカーへの相談もおすすめします。
ニオイが広がりやすい
音と同じように、気になるのが「ニオイ」。吹き抜けがあると、キッチンで料理していたニオイが2階まで届くことがあります。特にオープンキッチンにすると、開放的ではあるものの、ニオイが広がりやすいのがデメリットです。IHクッキングヒーターだとガスコンロに比べて上昇気流が弱く、換気扇を回していても臭いや煙をうまく吸い取ってくれません。対策としては、吹き抜けを作る際に天窓や高窓などを配置して換気できるようにするとよいでしょう。高い位置にあると開け閉めできないので、電動開閉式の窓を採用するのがおすすめです。
照明器具の交換が大変
吹き抜けの天井部分に照明を取り付けると、基本的に手が届かないため電球の交換が大変です。はしごがあれば交換は可能ですが、結構な高さがある分、なかなか手間取る作業となるでしょう。はしごは天井の高さに合わせて最低2.5m~3m程度、場合によっては4m近いものを用意しておく必要があります。
対策としては、最初からLED電球をつけるのがおすすめです。LED電球は5年~10年ほどの寿命があり、白熱球よりも交換頻度が少なくなります。自分たちで電球を交換できない場合は業者にお願いする方法もありますが、費用がかかるのがデメリットです。また、吹き抜けに見せ梁をつくり、そこに照明を取り付ける方法だと電球の交換が簡単になります。
京都・滋賀・大阪で吹き抜けのある家づくりなら天然木の家HODAKAに相談してみよう
吹き抜けがある家は、天井がないことで自然の光が入りやすく、風通しがよくなります。開放的な空間で、家族の気配を身近に感じやすいのも魅力です。一方で、冷暖房効率や音、ニオイなどのデメリットもあるので、建てる前にしっかりと計画を練る必要があります。とはいえ、家族だけで話し合っても最善の答えは見つけにくいので、施工実績の多いハウスメーカーに相談するのがおすすめです。
「天然木の家HODAKA」は、仲介手数料のかからない土地に建てる注文住宅が自慢のハウスメーカーです。お客様の理想をカタチにできるよう、一級建築士やコーディネイターが在籍しています。専任のスタッフが土地探しからお手伝いし、家づくりをサポートいたします。京都・滋賀・大阪で吹き抜けのある家が欲しい方は「天然木の家HODAKA」にご相談ください。