都市部の駅近でも戸建てが欲しいというニーズの高まりから、注目され人気が高い「狭小住宅」。土地代を抑えられて間取りもコンパクト、しかも家族4人暮らしでもゆとりある生活が送れるなど、たくさんのメリットがあります。
しかし気になるのが「狭小住宅の建築費」。家自体が小さいのだから、安く済むだろうと思いがちですが、実は狭小住宅の価格は意外と高くなりやすいのです。そこでこの記事では、狭小住宅の価格が高くなる理由を解説します。ローコストでの建築は可能かどうかも合わせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

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狭小住宅とは?

狭小住宅とは

狭小住宅の定義は曖昧なものの、敷地面積15坪程度の土地に建てられる家を指すのが一般的です。

狭小住宅が注目されるようになった歴史を紐解くと、戦後間もない1946年 に遡ります。当時は資材不足の影響により、15坪以上の住宅建築を制限する「住宅臨時建築制限令」が公布されました。制限令を受けて、建築家・池辺陽による15坪の立体最小限住宅をはじめ、増沢洵の極限的小住宅、東孝光の塔の家、安藤忠雄の住吉の長屋など、有名建築家によるさまざまな作品が生まれています。

2002年には、増沢洵の極限的小住宅を原型にした「9坪ハウス」というデザイナー住宅が登場し、普及しました。その後、狭小住宅が注目を浴び、大手住宅メーカーも続々参入しています。

狭小住宅は、加速度的に進む少子化や夫婦のみ世帯が増加した背景もあり、近年人気がある住宅タイプです。とくに土地代が高い都心部エリアで多く見かけられ、土地代が抑えられたり、利便性の高いエリアで暮らせたりするのが大きな特徴です。さらに間取りもコンパクトなどメリットが多数あります。

 

狭小住宅の建築価格が高くなる3つの理由とは?

狭小住宅の建築価格が高くなる3つの理由

狭小住宅は人気があるものの、一般的な住宅と比較すると建築費が割高になりやすい特徴があります。なぜ建築費が割高になってしまうのか、具体的な理由を見ていきましょう。

 

構造計算が必要になるため

狭小住宅の場合、土地の特性を活かすために3階建てにするのが一般的ですが、単純に2階建てより建材費がかかるため、物理的に建築コストは高くなります。

また建築基準法の定めにより、3階建ての住宅を建てる場合は構造計算をしなければなりません。構造計算とは、建物の安全性を検討・確認する計算のことです。対象は3階建ての構造物や、軒高が9m超もしくは建物の高さが13mを超える構造物です。

ただし、現行法では2階建て住宅の構造計算は不要ですが、2025年の法改正によって4号特例が縮小される見通しです。4号特例とは、構造計算を省略できる特例のことで、2階建て以下かつ床面積が500㎡以下の木造住宅は、構造計算を省略できます。しかしこの特例の範囲が2025年に縮小されるので、ほとんどの2階建て住宅で構造計算が必要になります。構造計算の費用は建物の規模や構造にもよりますが、木造で30万円、鉄骨・RC造で70万円程度といわれています。

さらに3階建てにすると、2階建てに比べて建物の重量が増えるため、地盤改良工事費がかかる可能性もあります。地盤改良工事費は工法によって違いはあるものの、木造30坪の家で表層改良工法なら約20~40万円、柱状改良工法は約40~70万円、鋼管杭工法は約90~130万円といわれています。

 

間取りを工夫する必要があるため

狭小住宅の場合、必要な居住スペースを確保するため、縦に伸ばして3階建てにするケースが多い傾向にあり、その分だけ階段が多いつくりになります。2階建てなら1階部分だけ階段を考慮すればいいですが、3階建ては1階と2階にも階段スペースを考慮しなければなりません。

階段スペースが多く必要ということは、その分だけ居住スペースを削る必要があります。そのため、狭小住宅において居住スペースの確保は最大の課題であり、いかに他の居住スペースを削ることなく、階段を設置するかが重要になります。とくに重要視したいのは、使い勝手の良い間取り計画です。

例えば収納スペースを確保する場合、ロフトやスキップフロアを設置したり、1階部分に駐車スペースとしてビルトインガレージを作ったりするケースもあります。ただし、こういった間取りを設けると、費用がかさむのがネックです。また視覚的に広いリビングにするには、吹き抜けを設けるのも良いアイデアですが、こちらも費用がかさみます。

さらに狭小住宅は、近隣住宅との距離が近くなりがちです。防音対策を施す必要があるほか、採光・通風の対策も欠かせません。騒音トラブルを避けるために防音性の高い建材を使ったり、採光・通風のために吹き抜けや天窓を設けたりと、トータルで建築費用が高くなりやすい傾向にあるといえます。

 

作業スペースが十分確保できないため

一般的に狭小住宅は都市部に多くあり、周辺環境の特徴として挙げられるのが近隣住宅との距離が近いことです。近隣住宅との距離が近い場合、通常の足場が設置できない可能性があり、別途コストがかかります。

また資材を置く場所が確保できないと、別途資材置き場を確保しなければならない点も問題です。さらに道幅が極端に狭いと、家の前までトラックが入れず資材運搬がスムーズにできません。このように通常の住宅建築に比べて、搬入コストや人件費などの余分な費用が発生しやすいことも理由の1つです。

 

3階建て狭小住宅はローコストで建てるのは無理?

3階建て狭小住宅はローコストで建てるのは無理なのか

結論から言うと、3階建て狭小住宅をローコストで建てるのは簡単ではないものの実現可能です。まず、3階建て狭小住宅を建てる際は以下の点に気をつけてください。

家の形状や屋根の形といった外観は、凹凸があるほど建築コストが上がるため、できるだけシンプルにしましょう。リビング階段にして、廊下の面積を減らすのも有効な方法です。リビング階段の設置によって、上下階の移動時に家族と顔を合わせるためコミュニケーションが増えたり、リビング内に縦の空間が生まれるため広く見えたりするメリットがあります。

また、水回りは排水管の長さが短くなればコストカットが可能となるため、水回りは集約するのがおすすめです。たとえば上下階にトイレを設置する際も、同じ位置に配置したほうが配管の長さを短くできます。

狭小住宅をローコストで建てるには、土地探しから対応してくれるハウスメーカーを探すことも大切です。土地購入と家の施工会社が別だと、土地の購入時に仲介手数料が発生してしまいます。仲介手数料は、土地購入に必要な費用のなかでも金額が大きいため、可能な限り抑えたいところです。たとえば2000万円の土地を購入したら、上限で72万6000円もの仲介手数料が発生する場合もあります。不動産探しから施工までワンストップで対応してくれるハウスメーカーであれば、仲介手数料の節約が可能です。

 

狭小住宅をローコストで建てたいなら「天然木の家HODAKA」!土地探しもおまかせください

狭小住宅は、利便性の良い立地に土地代を抑えつつ建てられるのが魅力です。間取りがコンパクトにまとまり、狭小住宅とはいえ家族4人がゆったり暮らせるメリットもあります。ただし建築コストが高くなりやすいので、対応力に優れたハウスメーカーを選ぶことが大切です。

京都府・滋賀県・大阪府で狭小住宅の建築を検討している人は、天然木の家HODAKAに一度ご相談ください。天然木の家HODAKAは、土地探しから設計・施工、コーディネートまで、住まいに関することを一手に任せられます。仲介手数料のかからない土地に建てる注文住宅ですから、費用が抑えられるのもメリットです。天然の木材を使った家づくりができる天然木の家HODAKAなら、あなたの理想とする狭小住宅も実現できます。