スキップフロアの採用により、空間を有効活用できる間取りが実現できます。デザイン的におしゃれに見えるといったメリットもあり、スキップフロアに魅力を感じている人も多いかもしれません。しかし、スキップフロアには少なからずデメリットもあるので、事前にしっかり把握しておきましょう。
スキップフロアってどんな間取りのこと?
スキップフロアとは、フロアの高さを半階ずつずらし、「中二階」「中三階」を設ける間取りのことです。ドアや壁は設けずに、フロアの高さを変化させて部屋のように活用できます。
外から見ると2階建ての住宅ですが、屋内には3~4層のスペースが出来上がるのがスキップフロアの特徴です。高低差の生まれた空間は広く見えるとともに圧迫感がなくなるため、1フロアの床面積が限られている狭小住宅や平屋建てで採用される傾向があります。
スキップフロアの5つのメリット
スキップフロアは、広く見えて圧迫感がなくなりやすい以外にどんなメリットがあるのでしょうか。ここでは、スキップフロアのメリットについて解説します。
【メリット1】開放的な空間になりやすい
先述したように、スキップフロアは空間を仕切る壁やドアがないため、視覚的に広く感じ解放的な空間になりやすいのが特徴です。吹き抜けも合わせて作ることで縦の空間に広がりを感じやすくなり、屋内全体を明るい空間にできます。十分な採光を得られるため、日中の電気代の節約にもつながります。
【メリット2】床面積が増やせる
家を建てる土地が狭かったり、第一種低層住居専用地域にある土地で建物の高さが制限されていたりするなど、土地の条件によっては狭小住宅しか建てられないケースもあります。しかし、スキップフロアなら空間を有効活用できるため、狭小住宅でも床面積を増やすことが可能です。
床面積が増やせると、部屋数が確保できたりスキップフロアの下部を収納スペースにできたりするので、狭小住宅とはいえ快適な居住空間になります。また、本来は廊下や壁だった箇所も活用できるので、無駄のない間取りが実現できるでしょう。
【メリット3】3階建ての建築費用より割安に作れる
狭小住宅のようにコンパクトな土地に家を建てる場合、3階建てを検討する人も多いでしょう。しかし3階建てにすると地盤改良が必要になるケースもあり、想像していた以上に建築費用がかかるリスクがあります。
その点、スキップフロアを取り入れれば2階建てでも空間が有効活用できるので、3階建てに比べて建築費用が抑えられるでしょう。広いスペースは確保できないものの、子どもの勉強スペースや収納、趣味のスペースとして活用できます。
【メリット4】高低差がある土地や傾斜地で有効活用できる
高低差のある土地や傾斜地に家を建てる際は、段差によって住宅内にデッドスペースが生まれます。そのようなデッドスペースを有効活用できるのがスキップフロアです。高低差が1階層に満たない場合、階段を数段ずらして中階層の空間を作れば、デッドスペースが解消されます。傾斜地のような変形地は比較的土地代も安いため、スキップフロアを取り入れる前提で購入を検討するのもひとつの方法です。
【メリット5】子どもの安全な遊び場や勉強スペースとして活用できる
スキップフロアをお子さんの遊び場にすれば、キッチンにいる際も目線の高さと合うので、子どもの見守りにも役立ちます。また、子ども部屋よりもリビングで勉強すると学習効果があるとされる「リビング学習」は人気ですが、時間によってはリビングで勉強できないケースもあるかもしれません。そのようなときも、スキップフロアが便利です。
リビングにいる家族と程よい距離感を保ちながら学習できるので、リビング学習よりも集中しやすい環境になります。スキップフロアに学習机を置き、その範囲で片付けをするだけですから、勉強道具をわざわざ移動させる必要もありません。家族間のコミュニケーションも取りやすく、家族の気配が感じられる点もメリットといえます。
スキップフロアの5つのデメリット
メリットが多いスキップフロアですが、デメリットも押さえておかないと作ったあとに「こんなはずじゃなかった…」と後悔してしまうこともあるかもしれません。そこで、スキップフロアのデメリットを5つ解説します。
【デメリット1】バリアフリー化できない
高齢になってからの身体能力を考えると、段差のないバリアフリーの住宅にしたいと考える人も多いでしょう。しかしスキップフロアは屋内に段差が何カ所もある間取りなので、バリアフリーにはなりません。一つひとつの階段の段数は少ないため昇り降りは楽になりますが、大変に感じる人も多いでしょう。
さらにスキップフロアの下部を収納スペースにした場合、天井高は基本的に低くなります。秘密基地のような空間は子どもにとってはうれしいものですが、天井高が低いと大人にとっては腰を傷めるなど体への負担が大きくなりがちです。高齢の方と一緒に暮らす場合は、そういった点も考慮しつつ、バリアフリーで生活できるフロアを作るか、ホームエレベーターを設置するなどの対策も検討しましょう。
【デメリット2】冷暖房の効率がよくない
壁などの仕切りのない大きな空間は広々している一方で、冷暖房の効率は良くありません。冷暖房が部屋の隅々までに行き渡るのに時間がかかるため、光熱費も高くなるおそれがあります。スキップフロアのある住宅で光熱費を抑えつつ快適に過ごすには、断熱性・気密性を高めて、シーリングファンを設置するなどの対策が必要です。
【デメリット3】2階建てよりも建築費用が割高になりやすい
スキップフロアのある住宅は、3階建てよりは建築費用が抑えられるものの、2階建てに比べると建築費用は高くなります。なぜなら複雑な構造であることに加え、仕切りや壁が少ない構造ですから、施工の難易度が高かったり耐震性を高めたりするためにコストがかかるからです。
通常の2階建てよりも設計が複雑ですし、綿密な構造計算が必要になるため、その分の費用も発生します。さらに、床面積が2階建てよりも増えることで固定資産税が高くなる点もデメリットです。
【デメリット4】プライバシーの確保が難しい
スキップフロアは、家族とのコミュニケーションが取りやすい反面、プライバシーを確保することが難しくなるデメリットもあります。フロアの音がほかの部屋へ筒抜けになるのも避けられません。また子どもが小さいころはよかったものの、成長するにしたがって勉強している姿を親から常に見られることがストレスになるケースも考えられます。
家庭は社会生活の最小単位といわれるように、親子であってもプライバシーの尊重は大切です。メリットだけを注視せずに、スキップフロアの使い方について家族間でよく話し合ってみましょう。
【デメリット5】掃除が面倒
スキップフロアはほこりが溜まりやすいにもかかわらず、段差があるため掃除が大変な点がデメリットです。重い掃除機を持って階段を移動したり、天井が低いことで掃除をする体勢がきつかったりすることもあるでしょう。
特にお掃除ロボットなどの家電製品が使えないことに不便を感じる人もいます。スキップフロアにするなら、コードレスの掃除機にする、モップで掃除をするなどの対策が必要です。掃除がしやすい壁材や床材の利用も検討しましょう。
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スキップフロアは縦方向に開放的な間取りの設計が必要ですが、空間が広がることで空調設計が難しい面もあります。階層も複雑なので、各部屋とのつながりもしっかり考慮しなければなりません。そのため、一般的な住宅に比べて設計の難易度が高い間取りといえます。
一生に一度の注文住宅で失敗しないためにも、スキップフロアの間取りを考えているなら、実績多数のハウスメーカーや工務店に依頼するのがおすすめです。
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