家の印象を左右する「外壁」は以前に比べて外壁の種類も豊富になり、「どれを選んでいいのか分からない…」と迷う人も多いでしょう。外壁にも種類があり、それぞれ特性があります。また、採用する外壁の色や種類によってメンテナンスの頻度が変わります。

そこで外壁選びで失敗したくない方向けに、家の外壁の種類をはじめ、おすすめの外壁を解説します。デザイン性か機能性か、どういった基準で選べばいいのか分からないという方は参考にしてみてください。

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外壁の種類

 

家の外壁は大きく分けて窯業系サイディング、モルタル、タイル、ALCパネル(ALC板)の4種類があります。それぞれの特性やメリット・デメリットについて詳しく解説します。

 

窯業系サイディング

窯業系サイディングとは、セメントに繊維質を混ぜて板状に形成した外壁です。防火性に優れ、強くてしなやかな特徴があり、住宅の外壁材として広く使われています。窯業系サイディングの主なメリット・デメリットは、以下の通りです。

 

メリット

デメリット

・デザインが豊富

・耐火性能が高い

・軽くて壊れにくい

・通気性が高い

・コストを抑えられる

・定期メンテナンスが必要

・防水性能が低い

・蓄熱性が高い

 

窯業系サイディングは、デザインのバリエーションが豊富にあり、オリジナリティのある外観や景観と調和した外観など、イメージ通りの外観にできます。しかも工場で大量生産できるためコストが安く、施工費を抑えることも可能です。

窯業系サイディングは耐震性が高いことに加え、セメントと繊維質が主原料のため耐火性が高く、基本的に燃えません。地震を起因とした火災リスクも低減できます。また、柱と外壁の間に通気層を作る「通気構法」が標準工法になっているため、雨水が侵入しても湿気を外気に放出でき、内部結露を抑制できます。つまり、建物が長持ちするということです。

一方で、メンテナンスをする頻度が高く、10年に1度の塗り替えが必要になる点はデメリットといえます。塗装をしなければ紫外線や雨水の影響を受け、外壁の劣化につながります。またセメントは熱を吸収しやすいため、夏場は室内温度が上がりやすい点もデメリットでしょう。

デザイン性を高めつつ、コスパのいい外壁にしたい人におすすめ

窯業系サイディングは成形性が高いため、タイル調や木目、石積み調、レンガ調などさまざまなデザインの外壁に適しています。選択肢が広いことに加え、メリットも豊富にあるので、多くの日本の住宅で使われているのも納得できるでしょう。デザイン性とコスパを重視したい、また外壁の素材選びが迷って決められないという人におすすめです。

 

モルタル

モルタルとは、セメントと砂を水で練った建築素材のことで、1980年代以前の一般住宅では外壁材として広く使われていました。モルタルの主なメリットとデメリットは、以下の通りです。

メリット

デメリット

・耐久性が高い

・耐火性・遮熱性が高い

・デザイン性が高い

・ひび割れをするリスクが高い

・汚れが目立ちやすい

モルタルは耐久性が高く、定期的なメンテナンスにより半永久的に持つといわれています。また材料に使われる砂やセメントは、不燃性なので耐火性に優れているうえに熱伝導性が低く、真夏でも急激に室内温度が上昇するのを避けられる点もメリットです。

モルタルが選ばれる理由のひとつに、デザイン性の高さもあります。左官職人がモルタル材を手作業で外壁に塗り上げて仕上げるため、コテのムラによる独特の風合いが出るのが魅力です。

デメリットなるのは、クラックのリスクです。クラックとは、建物の外壁や内壁、基礎などにできる亀裂やひび割れのことで、材料に水を使用するモルタルは乾燥によって細かなクラックが入るのは避けられません。

また住宅自体の経年劣化により、歪みが生じてひび割れが入るケースもあります。施工不良とは関係なく材質上の問題ですが、気になる方はモルタル以外の材料を検討しましょう。さらに、経年劣化によって汚れがたまりやすく、カビやコケが発生して壁が黒くなるケースもあるため、定期的なメンテナンスが必要です。

 

デザインの自由度が高く、高級感がある外壁にしたい人におすすめ

最近は、デザイナーズ物件などのおしゃれな住宅の外壁にモルタルが使われています。サイディングだと直線的なデザインしかできないものの、モルタルはカーブをつけられるなど自由度が高く、おしゃれな外観に仕上げることが可能です。目地がないため美しく、重厚感が出て高級なイメージになるでしょう。

 

タイル

 

外壁タイルは石や砂、金属、ガラスなど自然から採取される無機質素材(天然素材)でできているため、経年劣化が起きにくい点が特長です。タイルのメリット・デメリットは、以下の通りです。

メリット

デメリット

・強度が高い

・防汚性に優れている

・ひび割れが少ない

・高級感がある

・材料費・施工費が高い

・接着剤の劣化による剥離・落下リスクがある

・定期的なチェックが必要

 

タイルは強度がある素材なので、傷や汚れがつきにくく色あせにくい点がメリットです。メンテナンスフリーの外壁ともいわれ、長年に渡って美しさが持続しやすいでしょう。特に他の外壁では出せない高級感も魅力です。またモルタルとは違い、水分をほとんど吸収しないため、ひび割れするリスクも軽減できます。

デメリットは、材料費や施工費が高くなる点です。使用するタイル材や施工面積によっては、窯業系サイディングに比べて倍以上かかるケースもあります。ただしタイルは強度が高いため、定期的なメンテナンスのコストを軽減することができます。そのためトータルで考えると、一概に費用が高いとはいえないでしょう。

一方で、タイルを貼り付ける接着剤の劣化により、剥離・落下につながるリスクがあります。メンテナンスフリーとはいえ、タイルのひび割れや亀裂、浮きがないか定期的なチェックは必要です。

 

メンテナンスに手がかからず重厚感がある外壁にしたい人におすすめ

サイディングは初期費用が安いことから人気が高い外壁ですが、高級感や重厚感という見た目においてはタイルが圧倒的に人気です。さらに近年は、タイルのデザインバリエーションも豊富に用意されています。

クラシックスタイルはもちろん、流行りのモダンスタイルやナチュラルなデザインなどもあり、自由度の高さが魅力です。セメント調タイルを採用すれば、コンクリートの打ちっぱなしのようなスタイリッシュな外観も実現できます。

 

ALCパネル(ALC板)

ALCパネル(ALC板)は「軽量気泡コンクリート」とも呼ばれるコンクリートの一種で、Autoclaved Lightweight aerated Concreteの頭文字をとった名称です。ALCパネルは珪石、セメント、生石灰、発泡剤のアルミ粉末などを主原料として構成されており、主なメリット・デメリットは、以下の通りです。

メリット

デメリット

・軽量

・遮音性能が高い

・断熱性が高い

・耐久性が高い

・ひび割れするリスクがある

・防水性が低い

・材料費・施工費が高い

ALCは内部に気泡を含んだ軽量素材のため、家への負担が少ないのが特徴です。しかも内部の気泡が音を吸収してくれるので、住宅内の音が外に漏れにくいメリットがあります。ビル建築においては、遮音壁や遮音床などにも用いられるほどの優れた遮音性能があり、快適な住環境を実現することも可能です。

また、内部の気泡によって作られた空気の層により、熱伝導率が低く断熱性が高いメリットもあります。断熱材と併用することで夏は涼しく、冬は暖かな住宅環境で過ごせるのはALCパネルならではでしょう。そして他の外壁材に比べて、高い耐久性がある点も見逃せません。適切なメンテナンスの実施によっては、ALCパネル自体の耐用年数は50年を超えるケースもあります。

ただしパネルなのでつなぎ目が多く、内部に気泡を含んでいるため、気泡部分に雨水などが侵入すると、膨張やひび割れの原因になってしまいます。定期的に塗装しないと、雨漏りが起こるリスクが高くなる点は押さえておきましょう。また他の外壁に比べると、設置費用が高いため、コスト面での比較も欠かせません。

 

耐火性や遮音性といった機能重視の人におすすめ

ALCパネルはコンクリートの一種のため、火事でも燃えません。また耐久性や防音性が高く、熱にも強いなど、他の外壁に比べて抜群に機能性が高いのも特徴です。こういった理由から、住宅の機能を重視したい人におすすめの外壁材ですが、ALCパネルは1枚あたりのサイズが小さいため、接合部の目地が目立ち、デザイン性が落ちる点は留意しておきましょう。

 

汚れが目立たない、お手入れが楽な外壁カラーは?

 

外壁は種類によってもメンテナンスの頻度が変わりますが、外壁のカラーもメンテナンスの頻度に影響します。そこで、汚れが目立たなかったりお手入れが楽な外壁カラーについて紹介します。

 

汚れが目立たない外壁カラーは「グレー」や「アイボリー」

グレーの外壁は、多くの汚れに対してカムフラージュできます。ただし、濃いグレーはコーキング(継ぎ目の隙間に目地材で塞ぐこと)などの補修跡が目立ちやすくなるので、薄いグレーがおすすめです。コーキング箇所が多いサイディングなどの外壁でも、薄いグレーは多く採用されています。

また土埃や砂埃、排気ガスによる汚れが目立ちにくいカラーとして、アイボリーやベージュ系もおすすめです。家の周りが畑だったり、道路沿いで排気ガスが気になったりする人はアイボリーやベージュ系を選ぶとよいでしょう。ほかには、グリーンも外壁材におすすめのカラーです。壁に生える「藻」や「コケ」が目立たなくなるので、立地条件により日当たりの悪い住宅の場合はグリーンも検討してみてください。

 

変色しにくい外壁カラーは「白」や「青」

常に外気にさらされる外壁材は、紫外線によってカラーが劣化することもあります。また、金属の外壁の場合、酸化によって変質してしまい、色あせしたように見えるケースもあります。なかでも色あせしやすいカラーは、赤や黄色など原色に近い鮮やかなものや暖色系カラーです。

一方で白や青などは、紫外線の影響やダメージを受けにくいカラーのため、日当たりが特に良い住宅におすすめです。ただし白は汚れが目立ちやすいため、タイル材などの防汚性の高い外壁材を使う場合に採用するとよいでしょう。

 

外壁はデザインと機能性のバランスが大切!家づくりで迷ったら「天然木の家HODAKA」に相談してみよう

外壁で家の印象が左右されるとはいえ、機能性も重視する必要があります。自分のイメージと合った外観と、メンテナンス頻度のバランスで選ぶことが大切です。

また、これから注文住宅の建築を検討する方の場合、外壁だけでなく家づくり全般で悩むことも多いでしょう。家づくりは一生に一度あるかないかの一大イベントです。あなたの理想の住まいを形にできる建築家と相談しながら進めていくのが成功への近道です。

天然木の家HODAKAには、一級建築士やコーディネーター、設計士などの専門職が多数在籍しています。京都府、滋賀県、大阪府で注文住宅を検討している人は一度、天然木の家HODAKAにご相談ください。

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