最近の住まいの収納は「押し入れ」ではなく、「ウォークインクローゼット」が主流です。ウォークインクローゼットが一つあると、家族分の衣類が収納できたり、衣類以外の収納もできたりと使い勝手が向上します。しかし家族構成や部屋の広さによって、ウォークインクローゼットの使いやすいサイズが異なることはご存知でしょうか。

この記事では、ウォークインクローゼットのメリット・デメリットをはじめ、使いやすいウォークインクローゼットの畳数についても解説します。注文住宅を建てる際の参考にしてください。

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そもそもウォークインクローゼットとは?クローゼットとの違いも解説

ウォークインクローゼットとは、人が入れるほどのスペースを要した収納を指します。間取り図では「WIC(またはWCL)」と表記されますが、これは英語表記の「walk‐in closet」の頭文字を取った略語であるためです。

広さやサイズに明確な定義はなく、「人が入れる」スペースがあればウォークインクローゼットとなるため、約1畳程度のスペースでも十分にその役割を果たします。狭小住宅や居住スペースの広さを優先したい場合など、広さが確保できなくても人が入れれば問題ありません。

ウォークインクローゼット内にハンガーパイプや棚板を設置し、ハンガーパイプの下スペースに衣装ケースを並べたり、棚板に靴や小物などを収納したりできます。ウォークインクローゼットがあれば、収納スペースが限られている間取りの有効活用が可能です。

使いやすい畳数や広さについては後ほど解説しますが、ウォークインクローゼットは家族の人数や収納したい量によって広さが選べる点でも使い勝手が良いといえます。

 

クローゼットとの違い

クローゼットは洋室に設置された奥行きが50~60cm程度のものを指し、中に人が入れるほどのスペースはありません。主に衣類を収納するためのもので、ハンガーパイプが取り付けられています。

ワンピースやスーツといった長いものでも収納できるため、しまうときも取り出すときも便利なうえ、シワにもなりにくいのがメリットです。ただし収納スペースは広くないため収納量が少なく、奥行きがないと布団などの大きなものの収納には適していません。

 

利便性が向上する?「ウォークスルークローゼット」とは?

近年、ウォークインクローゼットの進化版として、通り抜けができる「ウォークスルークローゼット」も注目されています。ウォークスルークローゼットは出入り口が2箇所あるタイプで、ウォークインクローゼットは出入口が1箇所のタイプという点に、大きな違いがあります。

たとえば、2つの子ども部屋の間にウォークスルークローゼットを設置して共有の収納スペースにしたり、寝室と廊下との動線上に設置して動線を短縮したりすることも可能です。寝室から洗面所に抜けられるようにウォークスルークローゼットを配置すると、朝の準備も素早くできます。

ただし、部屋全体の動線を意識して間取りを考える必要があるため、配置が難しいというデメリットもあります。また洗面所と寝室をつなげる場合、湿気によりクローゼット内にカビが発生しないよう、換気対策が必要です。

 

ウォークインクローゼットの5つのメリット

 

漠然と「ウォークインクローゼットが欲しいな」と思っている人向けに、ここからはウォークインクローゼットを作るメリットを5つ紹介します。

 

大容量の収納スペースが確保できる

たとえば4畳のウォークインクローゼットだと、夫婦と子ども2人分の衣類を収納できるほど大容量の収納スペースを確保できます。衣類で換算すると、4畳で400着程度は収納可能です。ハンガーパイプの下に衣装ケースを設置したり、棚板の上に小物や靴箱を乗せたりすると、さらに収納量がアップします。

 

衣類以外の収納にも適している

ウォークインクローゼットは、衣類以外の収納にも適しています。たとえば来客用の布団や季節の電化製品、キャリーバッグ、ゴルフバッグなど使用頻度の低い家財は置く場所に困りがちです。そういったものは押し入れでも十分収納できますが、押し入れは奥行きが深すぎて取り出しにくいと感じる人もいるでしょう。ウォークインクローゼットなら、中に入って出し入れができるため利便性が向上します。

 

衣替えが必要ない

大容量のウォークインクローゼットは収納力が高いため、季節ごとに衣類を切り替える必要がありません。たとえば「ここは夫の冬物、こっちは夏物」など収納するスペースを決めておけば、わざわざ入れ替える手間が省けます。ただし、整理整頓しないと衣類が増えていく一方なので、一年に一度は必ず断捨離するなどのルールを決めて管理しましょう。

 

収納したものを管理しやすい

軽いものは上段、よく使うものは中段のハンガーパイプに収納するなどのルールを決めておくと使い勝手が向上します。下部に置く収納ケースは、半透明のものだと中身が見えやすいのでおすすめです。収納ケースをクローゼット内に重ねて置くことを考えると、出し入れしやすいように引出し収納がよいでしょう。また、ウォークインクローゼットは意外とホコリがたまりやすいので、キャスター付きを選んだほうがスムーズに掃除できます。

 

着替えスペースとして使える

寝室と続くようにウォークインクローゼットを配置すると、深夜や早朝に寝室で人が寝ていても、寝室の照明をつけずに着替えができます。また姿見を置けば、ウォークインクローゼット内でコーディネートできるので、洋服をわざわざ移動させる必要もありません。しかも来客時にクローゼット内で着替えられるうえ、収納スペースも隠せます。

 

ウォークインクローゼットの3つのデメリット

 

ウォークインクローゼットは基本的に使い勝手のいい収納スペースですが、使い方によっては不便さを感じるケースもあります。そこで、ウォークインクローゼットを作るデメリットについてもしっかり押さえておきましょう。

 

大容量の収納を確保するには、居室1つ分ほどの広いスペースが必要になる

ウォークインクローゼットのスペースは、3~4畳ほどの広さを確保できれば家族4人分の衣類を収納できます。ただし4畳となると居室1つ分ほどのスペースですから、狭小住宅などで床面積が限られていると、なかなかここまでの広さの確保は難しいかもしれません。

どうしても3~4畳ほどのウォークインクローゼットが欲しい場合、寝室などの居室スペースを削る必要があります。収納スペースは確保できても、居室空間が狭いことで暮らしにくさを感じることもあるため、双方のバランスをよく考えてから検討しましょう。

 

レイアウトによってはデッドスペースができてしまう

ウォークインクローゼットのレイアウトは、大まかに分けると「I型」「Ⅱ型」「L字型」「コの字型」の4種類あります。それぞれの型の詳細については後ほど解説しますが、L字型やコの字型のコーナー部分はデッドスペースになりやすい点がデメリットです。狭いウォークインクローゼットを上手に活用するには、デッドスペースの有効活用も考える必要があります。使用頻度が少ないものや、デッドスペースのサイズにあった収納ボックスを置くなどの対策が必要です。

 

収納スペースが大容量なため、収納が乱雑になると探す手間がかかる

収納力が高いウォークインクローゼットですが、そのメリットは使い方次第によってデメリットになる可能性もあります。あまり考えずに収納した結果、どこに何があるのかわからず探す手間が生じるケースも少なくありません。衣類はできるだけハンガーにかけておくと、見つけやすく省スペースで収納できます。

またその際は、衣類の丈に合わせてハンガーパイプをかけておくと、ハンガーパイプの下が有効活用できるのでおすすめです。大容量の収納スペースだけに、「どこに・何を・どのように」収納するのか、事前にルールを作っておくことが大切です。

 

家族4人で使うなら?ウォークインクローゼットの最適な畳数・レイアウト

先述したように、夫婦+子ども2人で使うなら4畳ほどがウォークインクローゼットの適切な広さです。狭小住宅など床面積が限られている場合は、3畳を目安にしましょう。夫婦2人なら2畳、夫婦と子ども1人なら3畳あれば十分収納できます。ただし、ウォークインクローゼットは収納量を重視すると、使い勝手は悪くなってしまいます。人が入ることを前提としたスペースですから、ものを詰め込み過ぎるのはおすすめできません。

また、しっかりと考えなければならないのが、ウォークインクローゼットのレイアウトです。お伝えしたように、レイアウトは「I型」「Ⅱ型」「L字型」「コの字型」の4種類あり、以下のように特徴が異なります。

タイプ

特徴

I型

ハンガーパイプや棚が1列にまとまったタイプ

Ⅱ型

ハンガーパイプなどが両面に収納があるタイプ

L字型

通路の片側と奥の部分に収納スペースがあるタイプ

コの字型

両面の収納と奥の部分に収納スペースがあるタイプ

I型やⅡ型はシングルもしくは夫婦、L字型やコの字型ならファミリーでの使用がおすすめです。十分な広さを確保できるなら「コの字型」、広さをあまり確保できない、またより効率的に収納したい場合は「L字型」を選ぶと使い勝手が向上します。

 

ウォークインクローゼットを有効活用したいなら、「天然木の家 HODAKA」で家づくりをしよう!

ウォークインクローゼットは、そこに住む家族の人数やどういった使い方をしたいかによって、最適な広さやレイアウトが変わってきます。注文住宅の場合、作る前にしっかり考慮したつもりでも実際に暮らしてから不便さを感じるケースもあります。

デッドスペースを有効活用し、使いやすいウォークインクローゼットを希望しているなら、注文住宅の実績多数の「天然木の家 hodaka」にご相談ください。京都・滋賀・大阪の注文住宅やリフォームを手掛ける「天然木の家 hodaka」は、一級建築士やコーディネイターが在籍した住宅会社です。それぞれのライフスタイルに合わせ、使い勝手がよく満足度の高いウォークインクローゼットを提案いたします。

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