注文住宅を建てる際、土地の敷地面積が限られていると「3階建て」を検討する方もいるでしょう。3階建てにすれば、限られた敷地面積でも住宅が建てられるうえ、必要な居住スペースを確保できます。ただし家をコンパクトにまとめるため、間取り決めなどの家づくりにおいて注意点もあります。
この記事では、3階建てを建てようか迷っている人に向けて、メリットやデメリット、さらに3階建ての家づくりにおける注意点を解説します。後悔しないためにも、ポイントをしっかり押さえて家づくりを成功させましょう。
3階建てのメリット
早速、3階建てのメリットを見ていきましょう。
限られた敷地面積の土地でも有効活用できる
家を建てる際は、用途地域ごとに建ぺい率や容積率などの制限が設けられているものの、3階建てにすれば建物を縦に伸ばすことで居住スペースを確保できます。3階建ては狭小地であればあるほど、より有効活用できるのがメリットです。
特に大都市圏や都市部などの駅近ほど狭小地が多く見られ、利便性が高く根強い需要があります。一方で、土地が狭くても価格は高いため、手が出しにくいと感じる人も多いでしょう。そういったエリアほど、間取りを工夫した3階建て狭小住宅を建てることで快適な暮らしを実現できます。
土地の購入費を抑えられる
都市部など利便性の高いエリアに家を建てようと思っても、土地代が高いため予算的に購入できる土地が限られるでしょう。しかし3階建て狭小住宅であれば、敷地面積15坪程度の土地でも住宅の建築が可能です。
たとえば坪単価200万円の土地価格が高いエリアでも、敷地面積15坪なら土地代は3,000万円ほどで収まります。ちなみに東京24区の中野区や杉並区など人気のエリアが坪単価200万円台です。また土地が狭ければ狭いほど、毎年課税される固定資産税や都市計画税が抑えられるメリットもあります。
家族に必要な居住スペースを確保できる
狭小地に家を建てる際は、2階建てよりも3階建てのほうが縦に伸ばす分だけ床面積が増えるので、居住スペースを確保できます。2階建てでも家族4人が暮らせるくらいの広さや、それぞれの居室を設けることも可能ですが、1居室あたりの床面積は狭くなるのが一般的です。
たとえば、2階建てにビルトインガレージなどの駐車スペースを1階部分に確保すると居住スペースを削る必要があり、必要な居住スペースが確保しづらくなります。その点、3階建てなら1階に駐車スペース+1居室(主寝室)、2階にLDKや水回り、3階に2居室(子ども部屋)など、ゆとりある間取りの住まいにできます。
風通しや日当たり、眺望を確保しやすい
3階建てが多い住宅街に2階建てを建てると、日当たりや風通しが悪くなる場合があります。また周囲を住宅で囲まれているとプライバシーを確保しにくく、なかには近隣からの視線が気になる人もいるでしょう。その点、3階建てなら窓や間取りを工夫することで風通しや日当たり、眺望を確保しやすいメリットがあります。
水害対策に有効
ハザードマップで浸水想定区域に指定されている、周辺よりも低い場所に位置するなど、水害リスクが高いエリアに家を建築する際も、3階建てはメリットがあります。高さがあるため、1階や2階が浸水した際にも3階部分への垂直避難が可能です。
3階建てのデメリット
3階建てはメリットが多いものの、縦の長さを背景としたデメリットもあるので押さえておきましょう。
階段の上り下りが多く、移動が大変
3階建ては、2階建てに比べて室内に階段が多い構造となるので、移動が負担になりがちです。たとえば1階に洗濯機があり、3階にバルコニーを設置した場合、1階から3階まで洗濯物を持って移動しなければなりません。子どもを抱っこする、重たい荷物を持って移動するなど階段の上り下りが大変な場面もあるでしょう。
若いうちは次第に、縦移動が多い生活に慣れるかもしれませんが、年を重ねるにつれて階段の上り下りが大変になることも予想されます。3階建ての間取り決めをする際には、老後の生活も見据えたうえで検討することが大切です。
冷暖房効率が悪く、1階が寒くなることも
縦に長い分、1階部分で暖房をつけると暖かい空気が上階へと上がってしまい、1階でいくら暖房をつけても暖まりにくいのも3階建てのデメリットです。冬は3階が暖かい一方で、夏になると最上階の3階は暑く、1階が涼しくなります。
冷暖房効率の悪さは、光熱費の高騰につながります。3階建てを建てる際は、家の省エネ基準を上げる検討も必要です。たとえば高気密・高断熱の家にすると、外気の影響を受けにくいため、冷暖房効率の悪さをカバーできます。
建築費用が2階建てに比べて高くなりやすい
木造3階建てでは、確認申請の際に「構造計算書」を添付する義務がありますが、構造計算には費用が掛かります。構造計算とは、建物の安全性を検証・確認するための計算のことです。3階建て狭小住宅は縦に細長い分、横からの揺れに弱いため、建築するには耐震性を強化する必要があり、構造計算が欠かせません。
構造計算の費用は建物の規模や算出方法などによって異なるものの、木造3階建ての費用は約20万円が目安といわれています。コンクリート造だと木造の約1.5倍の費用が目安です。また3階建ては建物の重量が増えるため、場合によっては地盤改良をする必要があることも費用が高くなりやすい原因のひとつです。
3階建ての家づくりで注意すべき点
3階建てのメリットやデメリットを把握したところで、これらを踏まえて家づくりの際に注意すべき点を紹介します。
法的な制限に気を付ける
いくら気に入った土地があったとしても、土地の用途地域によってはさまざまな制限が設けられている場合もあります。たとえば第一種低層住居専用地域、または第二種低層住居専用地域では高さの上限があり、10mまたは12m以上の建物を建てられません。
3階建てを建てることは可能であるものの、この上限を超えないように天井の高さを低くする必要が出てきます。天井が低いと圧迫感があるため、暮らしにくさを感じるかもしれません。他にも「建ぺい率」「容積率」「斜線規定」などの規定があり、購入する土地がどの地域に指定されているかを確認したうえで、住宅会社と相談しながら家づくりを進めましょう。
できるだけ生活動線や家事動線をコンパクトにまとめる
3階建ては階段が多い構造であるため、動線をコンパクトにまとめないと、暮らしづらい家になりやすいので気をつけましょう。先ほど紹介したように、1階で洗濯したものを3階に運ぶといった動線は複雑になりやすいため、できれば2階で洗濯をして2階のバルコニーで干すなど、家事動線は短くコンパクトにまとめましょう。
一方で水回りを2階にまとめた場合、玄関から遠い場所に洗面所があることが不便さを感じる要因になり得ます。玄関に洗面所を配置すると帰宅後すぐに手洗いできるメリットがあるため、特に近年は衛生意識の高まりを背景に注目が集まっています。ただし来客時は目に触れる場所ですから、取り入れて後悔したといった声も聞かれます。
そのため3階建てを建てる際は、どんな暮らし方ができるのかをしっかりとイメージすることが大切です。そして住宅会社とそのイメージを共有しながら、家づくりをしていくことで満足度の高い暮らしにつながります。
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木造3階建ての場合、耐震性の確保や構造計算が必要となるため、注文住宅を建てる際は家づくりに精通している一級建築士がいる住宅会社に依頼するのがおすすめです。
天然木の家HODAKAは京都府、滋賀県、大阪府で注文住宅を多く手掛ける住宅会社です。一級建築士が在籍しているので、間取りや家づくりにも精通しています。安心感があるので、これから注文住宅を建てるなら天然木の家HODAKAに相談しましょう。
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