狭小地に3階建てを検討しているなかで、1階部分にビルトインガレージを取り入れようか悩んでいる方も多いかもしれません。ビルトインガレージなら、狭小住宅でも駐車スペースを確保でき、暮らしの利便性が向上します。一方で、ビルトインガレージのデメリットをしっかり把握したうえで間取りを決めないと、住んでから「こんなはずじゃなかった…」と後悔するケースもあるかもしれません。
そこでこの記事では、3階建てビルトインガレージを建てようか迷っている方に向けて、メリットやデメリット、間取り決めの注意点やどんな間取りができるのかを紹介します。
ビルトインガレージは、家族にとって便利なスペースに!
ビルトインガレージとは、住宅の1階部分に駐車スペースを組み込んでシャッターなどで閉めて車を格納するガレージのことで、「インナーガレージ」とも呼ばれています。ビルトインガレージは家の一部に取り込むタイプのガレージなので、家の建築面積を小さくせずに済みます。また別の場所に月極駐車場を借りる必要もないため、狭小地などで駐車スペースを確保しにくい場合に取り入れるケースが多いでしょう。
ビルトインガレージの大きな特徴として挙げられるのが、室内とつながっている点です。24時間365日、室内から愛車を眺めたりメンテナンスできたりするため、車・バイク好きの人からの人気が集まっています。
一方で、最近はおうち時間の増加に伴い、車・バイク好きだけのスペースではなく、家族にとっても便利なスペースとして活用されています。たとえばDIYなどの趣味を楽しむスペースをはじめ、雨天時や夏場のプール時など子どもの遊び場としても最適です。またゲストを招いてのパーティーやシャッターを開けてのBBQ、冬用タイヤやガーデニング用品などの収納スペースとしても重宝します。
ビルトインガレージのメリット・デメリット
住居と車庫のスペースが一体となっていることにより、さまざまなメリットがある一方でデメリットもあります。ビルトインガレージのメリットとデメリットについてしっかり押さえておきましょう。
ビルトインガレージのメリット
ビルトインガレージを間取りに組み込むと、狭小地など土地の敷地面積に限りがある場合でも駐車スペースを確保できます。駐車スペースが室内にあるため、いたずらや傷、雨や紫外線などからも守られ、車の盗難や損害リスクを軽減できるのもメリットです。また雨の日でも濡れずに家から出入りができるため、チャイルドシートに子どもを乗せる場合や、高齢者の乗り降りにも重宝します。
駐車スペース以外にも、先述したように収納スペースなど家族にとって便利なスペースになるのもビルトインガレージのメリットです。しかも、ビルトインガレージは特例により容積率の緩和対象となるため、延べ床面積の5分の1を限度として容積率の計算から除外できます。容積率の厳しい都市部では、非常に有効な間取りといえます。
ビルトインガレージのデメリット
ビルトインガレージは1階部分が駐車スペースになってしまうため、居住スペースが削られてしまうのは避けられません。場合によっては、家族に必要な居住スペースが確保できないおそれもあります。1つ1つの部屋が狭くなることで、暮らしにくくなることも想定されるため、間取り計画は慎重に行いましょう。
またビルトインガレージの開口部を大きくする場合、耐震性に不安が残りやすいのも心配されるポイントです。耐震性を高めるには木造ではなく鉄骨造にしたり、木造でも大きな構造部材を使用したりする必要があるので、場合によっては建築費用が高くなります。
3階建てビルトインガレージの間取り決めの注意点
ビルトインガレージはデメリットを上回るメリットがあり、家族の利便性を向上するために有効なスペースです。では、3階建てビルトインガレージの間取り決めをする際は、どのような点に注意すべきなのでしょうか。
騒音が生活に支障をきたさないようにする
ビルトインガレージ内で車のエンジンをかけた場合、その音やエンジンの振動が他の居住スペースに響きやすいのが懸念材料の1つです。ビルトインガレージのすぐ上に寝室や子ども部屋を配置してしまうと、その音で眠れないといった事態も想定されるでしょう。できればビルトインガレージの直上はリビングや水回りを配置し、3階部分に寝室や子ども部屋を配置する工夫が必要です。
間取りの都合上、どうしても工夫ができない場合は、遮音・吸音できる天井材にするなど、設計時に検討しておきましょう。またシャッター音がうるさいと、深夜早朝に車の出入りで近隣住宅に迷惑をかけるおそれもあります。とくに狭小住宅の場合、住宅同士の距離が近いため、シャッター音にはしっかり注意して静音タイプを選ぶなどの対策が必要です。
排気ガスが部屋に充満しないように換気対策をする
ビルトインガレージはシャッターを閉めると密室になるため、その状態で車のエンジンをかけると排気ガスがガレージ内にこもってしまいます。排気設備が整っていないと、居室スペースにも排気ガスが流れ込むため対策が必要です。
基本的な対策として、ビルトインガレージの設置にあわせて24時間常に換気できる設備を整えましょう。できれば大型の換気扇、もしくは2台のダクト換気扇を設置すると安心です。部屋とビルトインガレージを扉や窓でつなげる場合は、部屋に防音性や気密性の高い建材を使うと、音やニオイ対策になります。
ガレージと家の動線をコンパクトにまとめる
ビルトインガレージは、建物と駐車スペースを一体化できる点が最大の魅力です。その魅力を活かすには、ガレージと家の動線をコンパクトにまとめて、家族みんなの利便性が向上する間取り計画が重要になります。
たとえば3階建ての場合、3階にリビングがあると縦に動線が長くなりやすいため、車から荷物を出して家に運び入れる際に不便に感じるでしょう。重い荷物を抱えて3階まで上がるのは効率的ではないため、2階にリビングを配置して動線をコンパクトにまとめるのがおすすめです。間取り決めをする際はガレージと居住スペースを分けるのではなく、ガレージと居住スペースのつながりを考慮しましょう。
3階建てビルトインガレージ、どんな間取りができる?
オーソドックスな3階建てビルトインガレージの間取りとして、1階部分に1台分格納できるビルトインガレージ(約6坪分)を作り、残りのスペースには水回りをまとめて配置します。そして2階にLDK、3階に主寝室と子ども部屋2つを確保します。例えば敷地面積15坪の土地に3階建てを建てる場合、各フロアの面積を1階:6坪、2階:12坪、3階:12坪の延べ床面積30坪程度は確保できます。家族4人でも、十分暮らせる3LDKの間取りを実現できるでしょう。
土地の敷地面積が15坪よりも狭く、上記のようにワンフロアの延べ床面積が12坪も確保できない場合は、2階のLDKを少し狭くして、3階の居室を1つ減らせば2LDKの間取りが作れます。この場合は、3人家族に最適なサイズとなります。
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ビルトインガレージは、狭小住宅の間取りにも組み込むことができ、車の盗難防止や家族の生活利便性向上などたくさんのメリットがあります。一方で、騒音や排気ガスなどの注意点もあることがわかりました。とくにビルトインガレージ付きの住宅は、そのメリットを最大限に活かすために間取り決めが重要です。ガレージ中心の動線を考慮し、コンパクトかつ家族みんなの利便性が高まるように配慮しましょう。
満足度の高いビルトインガレージ付きの注文住宅を建てるには、検討するべき材料が多いからこそ実績が豊富なハウスメーカーを選ぶ必要があります。天然木の家 HODAKAは、現場監督やコーディネーターと直接打ち合わせを行い、ライフスタイルにあった間取りを提案します。工務店を挟まない直営施工による建築のため、要望に沿った住まいをスムーズに建てることが可能です。京都・大阪・滋賀でビルトインガレージ付きの注文住宅を検討している方は、天然木の家 HODAKAに相談してみましょう。
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