注文住宅の坪単価は、家づくりの予算で参考にできる要素の一つです。しかし、どのような仕組みで坪単価が決まっているのかよくわからない、という人は多いのではないでしょうか。この記事では、坪単価の仕組みや重要性、注文住宅の坪単価を比較する際の注意点について解説します。
注文住宅を建てる際の坪単価の相場も紹介するので、家づくりの予算を決める際にぜひ参考にしてください。
坪単価とは?計算方法とは?
坪単価とは、住宅1坪(3.3㎡)あたりの建設費用を示したものです。坪単価は、以下の式で計算できます。
坪単価=建物の本体工事費÷延べ床面積または施工面積
例えば本体価格が2,000万円の場合は下記のように計算できます。
2,000万円÷38坪=約52.6万円
なお、坪単価は住宅会社によって延べ床面で計算する場合と施工面積で計算する場合とがあります。単純に坪面積だけで比較しないよう注意しましょう。2つの違いは下記のとおりです。
延べ床面積 |
・すべてのフロアの床面積を合計した面積 ・計算基準は建設基準法で決められている |
施工面積 |
・実際に工事を行った面積 ・計算基準は住宅会社によって異なる ・延べ床面積より広い面積になることが多い |
坪単価で比較する場合、例えば地域ごとの坪単価の平均を理解しておけば、注文住宅のコストパフォーマンスをある程度把握できます。また、坪単価が平均よりも安い場合は、必要最小限の機能に絞った住宅だとわかります。
反対に坪単価が平均よりも高い場合は、住宅の外観・内装や設置する設備に何らかのこだわりがあるとわかるでしょう。
とはいえ、注文住宅の価格を坪単価で比較する際には、後述するいくつかの注意点があります。広告などで紹介されている坪単価は、あくまでも住宅会社を比較・検討する際の目安として考えるようにしましょう。
【京都・大阪・滋賀】注文住宅の平均坪単価
注文住宅の予算を決めるためには、地域ごとの坪単価の相場を理解しておくことが大切です。ここでは、京都府・大阪府・滋賀県エリアで注文住宅を建てる際の、坪単価の相場を紹介します。
注文住宅のみ購入したときの坪単価
まずは注文住宅の建築費と住宅面積から算出した坪単価をみてみましょう。フラット35にて注文住宅のみ購入し融資を受けた世帯の調査結果は下記のとおりです。
|
建設費 |
住宅面積 |
坪単価 |
京都府 |
3,535.4万円 |
120.8㎡(36.5坪) |
96.9万円 |
大阪府 |
3,892.7万円 |
129.0㎡(39.0坪) |
99.8万円 |
滋賀県 |
3,585.1万円 |
126.5㎡(38.2坪) |
93.9万円 |
近畿圏 |
3,740.2万円 |
127.4㎡(38.5坪) |
97.1万円 |
全国 |
3,532.5万円 |
124.4㎡(37.6坪) |
93.9万円 |
出典:独立行政法人住宅金融支援機構「2020年度フラット35利用者調査」
https://www.jhf.go.jp/about/research/2020.html
※坪数は「床面積×0.3025」、坪単価は「建設費÷住宅面積」の計算式にて算出
注文住宅の平均坪単価は、2020年度時点で京都府96.8万円、大阪府は99.8万円、滋賀県では93.9万円でした。ちなみに、全国でみた平均坪単価は93.9万円。このことから、滋賀県を除き京都府と大阪府では全国よりも平均坪単価が高い傾向があることが分かりました。
理由は京都府では住宅面積が狭いことが考えられるでしょう。一方大阪府では建築費が全国相場よりも300万円以上高くなっています。
土地も購入したときの注文住宅の坪単価
次に土地を取得して注文住宅を建てた場合、その注文住宅の坪単価はいくら位なのかみてみましょう。おなじくフラット35にて土地取得費と建設費の両方を融資を受けた世帯の2020年のデータは下記のとおりです。
|
土地取得費+建設費 |
土地取得費 |
建設費 |
住宅面積 |
坪単価 |
京都府 |
4,466.3万円 |
1,614.9万円 |
2851.4万円 |
107.8㎡(32.6坪) |
87.5万円 |
大阪府 |
4,738.2万円 |
1995.2万円 |
2743.0万円 |
109.7㎡(33.2坪) |
82.6万円 |
滋賀県 |
4,071.0万円 |
1,099.2万円 |
2971.8万円 |
114.5㎡(34.6坪) |
85.9万円 |
近畿圏 |
4,539.7万円 |
1,655.3万円 |
2884.4万円 |
111.2㎡(33.6坪) |
85.8万円 |
全国 |
4,397.3万円 |
1,436.1万円 |
2961.2万円 |
111.1㎡(33.6坪) |
88.1万円 |
出典:独立行政法人住宅金融支援機構「2020年度フラット35利用者調査」
https://www.jhf.go.jp/about/research/2020.html
※坪数は「床面積×0.3025」、坪単価は「建設費÷住宅面積」の計算式で算出
土地を購入して注文住宅を建設した場合、平均坪単価は京都府が87.5万円、大阪府は82.6万円、滋賀県は85.9万円でした。いずれも全国平均よりも安くなっています。大阪府では最も坪単価が安いものの、土地取得費が最も高く、その分建築費に充てる資金が少なくなったことが要因していると考えられます。
土地を購入する必要がある場合は、地域によって土地代の相場が異なることを理解した上で、土地代と建築費のバランスを考慮しながら予算を決めるようにしましょう。
比較するときの注意!注文住宅の坪単価を左右する要素とは
坪単価の計算方法や地域別の相場を理解したら、次は坪単価を左右する要素をみてみましょう。これを理解しているだけで上手に予算内で家づくりを進めるためのヒントになるでしょう。
坪単価の要素は大きく下記の4つの要素があります。
・工事の依頼先がハウスメーカーか工務店か直営施工かか
・住宅構造の違い
・家の形状や付帯設備などの違い
・住宅会社の商品の違い
それぞれ解説していきます。
ハウスメーカーor工務店or直営施工
注文住宅の坪単価は、地元の工務店と全国展開しているハウスメーカーでは異なります。
ハウスメーカーの坪単価は、30~50万円の低価格帯と60~100万円の高価格帯に分かれます。資材の一括仕入れや住宅仕様の統一で低コスト化を図る考え方と、最新技術を惜しみなく導入して高付加価値化を図る考え方が共存しているためです。また、若干ですが広告宣伝費が坪単価に上乗せされている場合があります。
一方、工務店の坪単価は40~70万円前後が主流ですが、工事の完成度は大手住宅会社と引けを取りません。施主の要望に応じて、予算と仕様のバランスを取った工事が得意ともいわれています。
なお、建築事務所の坪単価は高く見られがちですが、天然木の家HODAKAのように工務店を挟まず直営施工を行うことで無駄なコストを抑えているところもあります。また、要望が現場に伝わりやすく、希望の家を建てられやすいメリットもあります。詳しい坪単価は直接住宅会社に確認するようにしましょう。
住宅構造の違い
住宅構造の違いによっても、坪単価は変化します。国土交通省の統計では、2022年3月時点での坪単価は以下の通りでした。
【坪単価の比較】
構造 |
坪単価 |
木造 |
56.1万円 |
鉄筋鉄骨コンクリート造 |
66.0万円 |
鉄筋コンクリート造 |
92.4万円 |
鉄骨造 |
95.7万円 |
出典:e-Stat 住宅着工統計 2022年3月分 第34表「着工新築住宅利用関係別、構造別、建て方別(住宅の工事費)」
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00600120&tstat=000001016966&cycle=1&year=20220&month=11010303&result_back=1&tclass1val=0
鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物は木造と比べて建設資材の価格が高く、工期も長くなる傾向です。一方、木造の建物は素材が軽いため、地盤の改良作業を行わずに済む事例が多い分、坪単価の平均は低めになっています。予算も考慮しながら住宅構造も選ぶようにしましょう。
家の形状や付帯設備などの違い
住宅の形状や付帯設備の内容・グレードによっても坪価格は大きく変動します。
同じ坪数でも、デザイン性を重視したり出窓・ベランダといった凹凸部が多くなったりすると使用する資材が多くなり、その分坪単価が上がります。
キッチンや風呂などの付帯設備のグレードを上げた場合も同様です。特に、太陽光発電や耐震構造を取り入れた場合は坪単価が高くなります。なお、坪単価に照明・カーテンなどの代金が含まれている場合がありますが、坪単価には大きく影響を及ぼしません。
住宅会社の商品の違い
住宅会社では、販売する商品のラインナップによって異なる坪単価が設定されています。
建物の広さは同じでも、建材・設備のグレードやデザイン性によって価格が変わります。また、同じようなデザインの建物でも、耐震・耐火性や防音機能・断熱機能など人の目に触れにくい部分にこだわっている場合もあります。いくつかのラインナップが用意されている場合は、ご自身の希望と予算に合うプランを選択するといいでしょう。
坪単価の疑問は天然木の家HODAKAにご相談ください
注文住宅の坪単価を理解することで、住宅会社や住宅構造を比較する際のヒントになります。しかし、坪単価の計算方法は住宅会社によって異なるため、坪単価のみで比較しないよう注意が必要です。坪単価は住宅構造などさまざまな条件でも変わるため、不明な点は担当者に納得いくまで確認するようにしましょう。また、坪単価のみで予算を算出せず、諸費用なども必要になることを覚えておきましょう。
天然木の家HODAKAには一級建築士をはじめとする住宅の専門家が在籍しており、お客様の様々な疑問や要望にお応えしながら家づくりを進めさせていただきます。住宅会社選びに迷ったら、ぜひ天然木の家HODAKAにご相談ください。
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