「土間」と聞くと、外からそのまま土足で入って来られるスペースを思い浮かべる人は多いでしょう。昔の日本家屋では主に農家の住まいに玄関土間があり、そこで農作業をしていた歴史があります。しかし近年は、ライフスタイルの変化によって若い世代でも、玄関に土間を取り入れた間取りを希望する人が増えているようです。
では、なぜ玄関土間が注目されるようになったのでしょうか。そして玄関土間にはどんな魅力があるのでしょうか。この記事では土間の基本を押さえつつ、玄関土間の魅力を中心に解説します。

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土間とは、屋外と屋内の中間的なスペースのこと

土間とは、屋外と屋内の中間的なスペースのことです

土間とは、屋外と屋内をつなぐ空間のことで、屋内にあるものの土足で歩けるスペースを指します。日本の伝統的な家屋は玄関付近に土間があることが多く、特に農家は土間があるのがスタンダードでした。その理由は、玄関土間で農作物を広げて保存するための作業を行ったり、汚れた衣服を着替えたりするためです。

玄関土間は汚れてもよいスペースだったため、土間の床材は手入れがしやすいよう漆喰を塗り固めた三和土(たたき)が主流でした。しかし近年は床材も多様化し、コンクリートをはじめ、モルタルやおしゃれなタイルなども使われるようになり、デザイン性が向上しています。

土間に使用する床素材を選ぶ際は、傷に強く雨で濡れた靴で歩いても変質などが起こらないものがおすすめです。水拭き掃除や洗剤を使った掃除で汚れを洗い流せるので、お手入れが楽になります。

 

玄関土間を作るメリットとは?

玄関土間を作るメリットとは?

先述したように、以前の土間といえば農作業など作業場としての役割がメインでした。雨風をしのぎながら農作業できるうえ、汚れた農具や収穫した野菜などをそのまま置いたり、炊事をしたりすることもできるため、農家の人たちにとっては利便性が高く、欠かせないスペースといえます。

近年、新築注文住宅の間取りに玄関土間を検討している人たちは、どんな点に魅力を感じているのでしょうか?ここからは、玄関土間を作るメリットを解説します。

 

夏でも涼しい

土間の床素材は熱伝導率の高いコンクリートやモルタル、タイルなどを使うのが一般的です。熱が伝わりやすい素材は周囲の温度を奪うため、夏の暑いときに触ってもひんやりして涼しく感じられます。特に戸建ての土間は土の上に作られるため、土のひんやり感も得られるでしょう。

冷えた空気が室内に流れ、玄関土間とつながったリビングなどの空気を冷やす効果も期待できるため、暑さ対策の面でも優れています。また床材に調湿作用のある漆喰を使用することで、湿度が高いときには余分な水を吸い取ってくれます。逆に湿度が低いときには水分を放出する機能があり、ジメジメしにくい点もメリットです。周囲の空間よりも温度が低く、適度に湿度も調整できる特徴から、野菜などの食料を保管する場所としても利用できます。

 

泥汚れなどを気にせずに物が置ける

玄関タイルは汚れが目立つこともあり、土や泥で汚れたものを持ち込みたくないという人も多いでしょう。玄関土間であれば先述したように水洗いできるので、農作業で汚れた長靴やガーデニング用品など、土汚れが気になるものを保管する際も問題ありません。

また外で使うものの、屋外では保管したくないものを置くのにも最適なスペースです。たとえばベビーカーや三輪車、自転車など外で使ったアイテムや、花粉の時期に部屋に持ち込みたくないコートを置くのにも土間が適しています。

 

子どもの安全な遊び場として使える

部屋だと気になる汚れも土間なら掃除もしやすいため、汚れを気にせずに過ごせるのもメリットです。たとえば、子どもの粘土遊びや絵の具遊びなどの場としても、土間は大活躍します。床材がコンクリートの場合、絵の具が落ちにくいリスクはあるものの、基本的に洗い流すことが可能です。

また雨など天候の悪いときでも、ある程度のスペースを確保した玄関土間なら三輪車やボール遊びもできます。子どもが屋外で遊ぶ場合は親の目が行き届かないこともあるものの、玄関土間なら屋内ですから安心感が高いのもメリットです。

 

ペットとの暮らしに便利

愛犬との散歩後は、愛犬の足を外の水道で洗ってからお家に入れる人も多いでしょう。しかし玄関先で足を洗っても、すぐにお家に入らずにまた汚れてしまう場合もあるかもしれません。こういったリスクは、玄関土間に洗い場を設置すれば解決できます。

しかも外から帰って来た愛犬の足が汚れていても、土間なら床掃除が簡単です。先述したように、玄関土間なら夏でも床がひんやりしているので、人間よりも暑さに弱いといわれる犬たちにとっても気持ちいいスペースとなります。

 

趣味のスペースとして活用できる

玄関土間は、釣りやキャンプなどのアウトドア用品、スポーツ用品など趣味の道具を保管するスペースとしても適しています。また天候や汚れを気にしなくてもいいので、家具やインテリアをDIYで製作する際も作業に没頭できるでしょう。ほかにも、ロードバイクが趣味なら時間を問わずメンテナンスができるので、大人にとっても有効なスペースとなります。

 

玄関土間を作るデメリット

玄関土間を作るデメリットとは

玄関土間はメリットが多いとはいえ、まったくデメリットがないとはいえません。そこで、玄関土間を作るデメリットについてもしっかり押さえておきましょう。

 

冬は寒い

土間の床に使われる床材は熱伝導率が高いため、夏場は土のひんやり感が伝わり涼しさを感じられます。一方で冬場は床が冷たくなり、玄関土間付近が寒くなりやすいのはデメリットです。玄関土間の床が冷たいと空間の空気も冷たくなり、冷気がリビングに流れてくることによってリビングの暖房効率が下がってしまいます。

そのため玄関土間を設置する場合は、家全体を高気密・高断熱にすることも大切です。たとえば玄関の入口付近に暖房器具を置いたり、玄関土間と居室の間に仕切りドアを設置したりするなどの対策も有効です。

 

バリアフリーになりづらい

玄関土間を作ると段差が生じるため、バリアフリーにしづらい点もデメリットに挙げられます。多少の段差であれば気にならないかもしれませんが、高齢になるほど少しの段差でもつまずいたり落ちたりしてケガにつながるリスクがあります。

最近はバリアフリータイプの玄関土間もあるので、家族に高齢者や介助が必要な方がいる場合は検討してみてはいかがでしょうか。また、広い玄関土間であれば後付けでスロープの設置も可能です。将来的に車椅子での生活になるリスクも考慮した上で、間取りを考えると良いでしょう。

 

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玄関土間は幅広い用途がある一方、間取りに取り入れる前にどんな使い方をしたいかをしっかりイメージしておくことが大切です。イメージがつかめないときは、ライフスタイルに配慮したプランニングに定評がある「天然木の家HODAKA」に相談してみましょう。天然木の家HODAKAは、京都府・滋賀県・大阪の注文住宅を手掛けているハウスメーカーです。一級建築士と一緒に、お客さまの要望で家を建てていく「自由設計」と品質の高い施工により、オンリーワンの住まいづくりが実現できます。

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